持ち家を売る税金【3,000万円特別控除の特例】
3,000万円特別控除
持ち家を買った時の金額よりも高く売ることに成功しても、持ち家を売った儲け(譲渡所得)には基本的に税金がかかってきます。
持ち家を売り譲渡所得がある場合は確定申告をして、定められた税金、所得税・住民税を納めなければなりません。
しかし、一定の要件を満たす持ち家を売る場合には譲渡所得があっても一定の金額までは課税されない税金の「特例」というものがあります。
この税金の特例を「3,000万円特別控除」といいます。
持ち家、マイホームを取得時より高く売り、譲渡益が出た場合に3,000万円までの譲渡益を控除してもらえる税金の特例です。
この「特例」を使うためには、売却した持ち家、マイホームの定義、要件がいくつかあります。.
持ち家、マイホーム 4つのの定義
- 今現在、自分が主として住んでいる持ち家、マイホームを売ること。
- 住まなくなった以前の持ち家は、実際に住まなくなってから3年目の年末までに売ること。
- 以前住んでいた家の建物を取り壊した時は、住まなくなってから3年目の年末以内の期間であり、建物を取り壊した日から1年以内にその土地を売るための売買契約を結んでいること。
- 単身赴任や転勤で本人が住んでいなくとも、「家族が住んでいた家である」ということ。
3,000万円特別控除 6つの要件
- 持ち家、マイホームを売った際、所有期間は問わない。
- 住宅ローンを組んでいる場合、住宅ローン控除との重複適用は不可。
- 対象となる持ち家、マイホームをの売却する相手が、親、妻、子などの直系の血族や、
- 持ち家を共有名義にしている場合、共有者それぞれの持ち分の範囲内で各人が適用
- 特例の適用は3年に1度のみ。連続適用は不可。
- 長期譲渡所得の軽減税率の特例とは重複適用可。特定の居住用財産の買換え特例との
生計を共にしている家族、親族や同族の法人など関係者ではないこと。
可能。
重複適用は不可。
3,000万円控除の注意点
3年に1度の利用制限など要件がいくつかありますが、譲渡所得から3,000万円の控除が受けられることは、非常に大きなメリットです。特に持ち家、マイホームの所有期間、居住期間が問われないので非常に使いやすい税制です。
仮に持ち家、マイホームの所有期間が10年以上あり、さらに譲渡所得が3,000万円以上ある場合は譲渡所得が3,000万円を超えた部分は長期譲渡所得の軽減税率の併用も可能です。
3,000円控除の特例の注意点としては、住宅ローン控除との併用が認めれられていない点です。
住宅ローン控除が適用される場合は、ローン控除による控除額と、本特例を使った場合の控除額を比較し、どちらの控除を使った方が有効かを確認する必要があります。
控除金額の計算
平成25年6月に2,500万円で買った持ち家を平成28年6月に4,000万円で売った場合、譲渡所得にかかる税金。
条件
取得費は200万円
売った際の費用は300万円
※減価償却等は考えない。
4,000万円-2,500万円-(200万円+300万円)-3,000万円=0円
(売却金額)(取得金額) (取得費) (控除)
本来は必要経費を引いても1,000万円の譲渡所得が発生し、その譲渡所得に対して、所得税、
住民税がかかります。
また、所有期間が5年未満のため、短期譲渡所得の税率が適用され譲渡所得には39%+
復興特別所得税2.1%を合わせた39.21%の税率がかかります。
しかし、今回3,000万円控除の特例を使うことができれば税金が0円になります。
※平成25年から平成49年までは、復興特別所得税として基準所得税額の2.1%を所得税と併せて納付しなければいけません。
また、譲渡所得が3,000万円以上あり、持ち家の所有期間が10年以上の場合は、譲渡所得から3,000万円を控除し、さらに控除しきれなかった譲渡所得には長期所有の軽減税率も適用され
ます。
長期所有の軽減税率はこちら→
このように購入時より持ち家、マイホームを高く売ることに成功した後は、税金の特例を活用し、より多くの現金を残し、次のステップに進みましょう。
なお、税金の最新情報、適用要件等の詳細は必ず持ち家の所轄税務署、または国税庁HPにて内容を確認の上ご利用ください。
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