持ち家を売る税金【特定の居住用財産の買換え特例】
特定の居住用財産の買換え特例の要件
持ち家を「売る」「買う」する時に税金の問題が必ず付いて回ります。
しかし、持ち家を売り、新しい持ち家を購入して住み替えた際に特定の要件を満たせば、
譲渡所得があっても課税されない税金の【特例】というものがあります。
この税金の特例は残念ながら、税金が免除される訳ではありませんが、課税を先延ばしに
出来る課税の繰り延べの制度です。
もちろん将来持ち家、マイホームをさらに住み替えるために売った場合、その売却金額に
よってはまとめて課税される可能性もあります。
この特例は「特定の居住用財産の買換え特例」と言います。
あなたが持ち家、マイホームを売った金額よりも、次に買った住み替え先の持ち家の金額が
高ければ、譲渡所得にかかる税金を先送りできる特例です。
まず、この特例を使うためには、以外の定義に当てはまる持ち家でなければいけません。
持ち家、マイホームの定義と特例の要件を確認してみましょう。
持ち家、マイホーム 4つの定義
- 今現在、自分が主として住んでいる自宅を売ること。
- 住まなくなった以前の持ち家を売る場合は、住まなくなってから3年目の
年末までに売ること。
- 以前住んでいた家の建物を取り壊した時は、住まなくなってから3年目の
年末以内の期間であり、建物を取り壊した日から1年以内にその土地を売る
ための売買契約をすでに結んでいること。 - 単身赴任や転勤で本人が住んでいない場合でも、本人の家族が住んで
いた持ち家であること。
特定居住用財産の買い替え特例〜6つの要件〜
- 持ち家を共有名義にしている場合、共有者の持ち分の範囲内で各個人で適用が
可能。
- 住宅ローン控除と一緒には使えない。どちらかを選択して適用。
- 持ち家を売る相手が、妻、子をはじめ生計を共にしている家族や同族の法人、
特別な関係者等ではないこと。
- 持ち家を売った年の1月1日の時点で、建物、土地共に所有期間が10年を超え
ていること。所有期間が10年であり、実際に住んでいた期間は問わない。
- 連続した年でこの特例は適用できない。過去2年間に特例を使っていないこと。
- 持ち家を売った売買金額が1億円以内であること。
以上6点が「特定の居住用財産の買換え特例」を受けるための要件となります。
1番大きなポイントは持ち家の所有期間です。
もしあなたの持ち家の所有期間が9年目であれば、この適用に当てはまるように持ち家を
売るタイミングを調整することも検討すると良いです。
また、所有期間がカレンダー上で10年目であっても、10年目の起算日等の注意点もある
のでよく確認しましょう。
買い替え資産 4つの要件
「特定居住用財産の買い替え特例」を利用するためには、売った家の要件に加えて、新しく
買う持ち家にも4つの要件があります。
- 持ち家を売ってから、次の持ち家を買う際の取得期限があります。持ち家を売った年
の前の年の1月1日から持ち家を売った年の年末まで。※税務署の了承を得られれば、
1年は延長可能。 - 建物の床面積は50平米以上、土地の面積は500平米以下。
- 入居のタイミングは持ち家を買った日から、翌年の年末まで。持ち家を売った次の年
に持ち家を買った場合は翌、翌年の年末まで。
- 次の持ち家の築年数は、耐火建築物マンションなどは25年以内。また、新耐震基準
に適合しているものや、既存住宅売買瑕疵保険に加入している建物等。
特例適用を具体例で見る
相続で親の家を譲り受けた本人がその持ち家を10年以上住み、平成28年3月に4,000万円で
売り、5,000万円の持ち家を買って住み替えた場合。
条件
取得費は不明
売った際の費用は300万円 ※減価償却等は考えない。
譲渡所得の計算
4,000万円【売却金額】-(4,000万円×5%【取得費】+300万円【売却費用】)
=3,500万円
この譲渡所得3,500万円に対して、本来所得税、住民税あわせて20.315%の税金が
課税されますが、特例を使うことで約700万円相当の税金を繰り延べすることが
できます。
※今回3,000万円控除は使わない前提です。
3,000万円控除についてはこちら→持ち家を売る税金【3,000万円控除の特例】
上記のように【特定の居住用財産の買換え特例】は適用要件等が複数ありますが、住み替えに
は非常に有利な税制です。持ち家の所有期間が10年を超え3,000万円を超える譲渡所得が
予想される方はぜひご検討ください。
なお、こちらの税金の特例には期限があります。最新の税制、詳細は必ずは持ち家最寄りの
税務署、以下のページで必ずご確認の上、ご利用ください。
持ち家を高く売る 最初のステップ
持ち家を高く売る 5つのポイントとは
◆◆持ち家を高く売るためのガイダンス トップページへ戻る◆◆